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CodeRabbitを活用したPRレビュー

はじめに

アダコテックでフロントエンドプログラマをしている瀧瀬です。

近年、AIがコーディングを含む多くの作業を代替することは珍しくなくなりました。アダコテックでも業務やコーディングで積極的にAIを活用しています。今回は、チームで導入しているPRレビューツール CodeRabbit について、社内での活用状況も踏まえて紹介します。

CodeRabbit

CodeRabbitは、GitHubでプルリクエスト(PR)を作成すると自動でコードレビューを行うツールです。

レビューの傾向としては、誤字脱字やコメントの更新漏れはもちろん、エラーハンドリング不足、モックの実装漏れ、セキュリティ警告、型の改善提案など、幅広い観点で指摘してくれます。

また、PRを作成すると要約やダイアグラムを自動生成します。ただ、最近はコーディングからPR作成までを Claude CodeCodex に任せることが多く、あえてこの出力を確認する機会は減っています。

謎のポエム機能もついています🐰

Proプラン に加入するとダッシュボード機能が使えますが、現状このダッシュボードは活用できていません(活用事例があれば知りたいところです)。

活用状況

私が所属する AdaInspector のフロントエンドチームでは、2025年1月の導入以降、約10カ月で750件のPRに1,135件のレビューコメントが付きました。

単純計算で コメント/PR ≒ 1.51(= 1,135 ÷ 750) です。ボットが作成したPRにはCodeRabbitのレビューが付かないこともあるため、体感では1PRあたり2〜3件の指摘が入っています。

メリット

小さなミスで時間を無駄にしない

実装が完成し、他のメンバーにレビューを依頼した際、誤字脱字やコメントの更新漏れといった本質でない指摘に時間を使うのはお互いにとってストレスです。CodeRabbitがこれらを先に拾ってくれるため、人間のレビューを本来の設計・実装の質に集中させることができます。

PRの粒度を小さく保てる

PRが大きいほどレビュー漏れや往復回数の増加が起きがちです。CodeRabbitは機械的に指摘を積み上げるため、大きなPRほどコメントが雪だるま式に増える傾向があります。

たとえば、約2,800行のPRに最終的に87件のコメント(うち初回レビューだけで27件)が付いた例もあります。

チームのルールとして、CodeRabbitのコメントは原則すべて対応し、対応しない場合も対応しない理由をコメントで残すようにしています。これにより、PRを早くマージするためにタスクを小さく切る意識が働き、1つのPRに無関係なリファクタリングを混ぜないようになりました。

デメリット

コストがかかる

当然ながらコストは発生します。「メンバー数 × プラン料金」で積み上がるため、メンバーが増えるほど負担は増加します。ボットアカウントにも専用シートが必要になるため、AIにコードを書かせ、AIにレビューさせる構成にすると、その分のコストも上乗せされます。

的外れなコメントが混じることがある

人間と同様、いつでも的確とは限りません。それっぽい指摘に従って修正したら実は不要だったコメント自体が誤っていたといったケースもあります。

ただし、CodeRabbitにはフィードバックによる学習(ルールの調整)機能があるため、誤りやドメイン知識不足に起因する不正確さは継続的に改善可能です。

まとめ

導入からまもなく1年ですが、バックエンドのモデル性能や仕組みの更新によって、数カ月に一度は「明らかに精度が上がった」と感じるタイミングがあります。

レビューに課題を抱えるチームは、まずは導入してみる価値があると感じています。

公式サイト

www.coderabbit.ai